【Gazette】No.76

皆様、こんにちは。ご父兄の方々には、テキストの書写や音読などの宿題継続のために、生徒さんにお声がけをいただいたりチェックをいただいたりと、日々のお力添え感謝いたしております。これらの積み重ねが、それから先の学力の基盤になるものと確信いたしております。既に、社会で活躍なさっておられる先輩方からも、書写と音読の効用について、それが今、彼らの中でどのように根付いているか、と云うお話をいただきます。どうぞ皆様、今日もまた、昨日の続きをよろしくお願い申し上げます。

さて今日は、特に音読の大切さについてお伝えしたくて、ヘレンケラーの話をさせていただきます。暗く音の無い世界に住む彼女が、多くの人々の前で講演をなさるまでになった、そこには、あの偉大なサリバン先生がおられたわけですが、ヘレンは、先生の唇、喉、舌、口の周りの動きを、指先で何度も何度もなぞりながら、発音を学び、手のひらに綴りを書いてもらい、実際の物に触って、一つ一つの言葉を覚えていかれました。こうして彼女は、自分の周りにある世界を知り、人の優しさ、思いやり、悲しみ、また怒り不安などの細やかな情緒を感じ、自分の存在 の意味、為すべき使命に気づき、世の人々に話しかけるための言葉を持ちました。自伝を書くことによって、後世に生きる私たちに 感動と勇気 を与えてくださっています。後一つ、音読お薦めのために、素読について述べさせていただきます。明治維新と言う偉業を成し遂げた志士の方々は、幼い頃より寺子屋に集いひたすら素読をなさいました。松下村塾では、吉田松陰先生の前で、まだ 意味も定かではないうちから、元気な声をあげて漢文を読んでおられました。これがそののちの彼らの生き様の基盤と成った事は明らかでしょう。国語であれ英語であれ、言語を習得するには、声を出す事が大切である、ということを 教えられます。音読によって、私たちはその言葉を心身丸ごとで受け取り、感得することができると思います。歌を歌うときも、バイオリンがそうであるように、気持ちを込めて心からも体からも声を出しますね。大げさに言うなら存在からみたいな。そしてカラオケも楽しみますし、歌うことは本当に楽しいものです。音読こそ、歌うように、メロディの流れに一つ一つの音を載せて、心から体から声を出して、読んでみましょう。誰かのマネをそっくりしてみようとすることはちょっと楽しいですね。